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2015年9月30日水曜日

<声明> 安全保障関連法案の成立にあたって

<声明> 安全保障関連法案の成立にあたって


2015930
特定秘密保護法に反対する牧師の会
共同代表 朝岡 勝(日本同盟基督教団徳丸町キリスト教会 牧師)
安海 和宣(東京めぐみ教会 牧師)

 去る919日、多くの国民の声を押し切り、立憲主義、平和主義、議会制民主主義という、この国が戦後70年にわたってまがりなりにも守り、培ってきた大切な蓄積を破壊するようにして、安全保障関連法案が成立しました。
 私たち「特定秘密保護法に反対する牧師の会」は、特定秘密保護法成立以来、これが日本の平和主義を脅かすものとの認識に立って、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、さらに今国会において安全保障関連法案の審議が始まってからは、衆議院特別委員会の委員、参議院特別委員会の委員、閣僚、野党党首など計135名の議員事務所を訪問し、廃案要請を繰り返してまいりました。また国会前に集結した多くの抗議デモ、日本全国各地で繰り広げられた抗議デモに連帯し、ともに声を挙げてまいりました。
 しかしながら、そのような働き掛けにもかかわらず、この度の強引極まりない参院委員会採決と深夜の参院本会議での採決が行われたことについて、深い悲しみと、憂いを抱いています。また、憲法に明白に違反する一連の法律を私たちは認めることができず、しかも憲法遵守義務に違反する者たちを私たちの代表として認めることができません。
 私たちは引き続き、同法の廃止を目指し、祈りつつ活動していくことをここに表明します。「彼らはその剣を鋤に、槍をかまに打ち直し、国は国に向かって剣を上げず、二度と戦いのことを習わない」(旧約聖書イザヤ書24節)との旧約預言者の語った言葉は、日本国憲法前文のうたう「再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」との精神と共鳴するものです。
 私たちは、世界の国々の中にあって平和の価値をさらに示し、武力によって誰のいのちも奪わず、誰のいのちも奪われず、「愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」(新約聖書ガラテヤ書522,23節)の心を持ち、「信仰と希望と愛」(新約聖書コリント一書1313節)をもって、平和を作るために祈り、働いていくことをここにあかしするものです。