2015年10月1日木曜日

野党重鎮訪問 ②共産党の志位和夫さんと懇談

【Peace Making Wave*Action 野党訪問②共産党】


  特定秘密保護法に反対する牧師の会は10月1日、声明「安全保障関連法案の成立にあたって」を日本共産党委員長の志位和夫さんへ届け、懇談しました。





 安保法制の廃止・野党共闘については、共産党が提案した国民連合政府について説明を受けました。法制廃止という一つの目的のため、暫定でも良いから、協力をするという大変なシンプルな提案でした。

 また、声明文に引用した「御霊の実」・「愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」(新約聖書ガラテヤ書5章22,23節)を一つひとつ志位さんが読み上げ、当会が他党の代表と話すときは、「これらをもって激励して下さい」とアドバイスを頂きました。

 意外だったのは、志位さんのキリスト教との関わりについて。バッハの受難曲でマタイの福音書をほぼ暗記しておられるとのこと、イエスの十字架のシーンを思い浮かべると涙がこぼれそうになることなどもうかがうことができました。
 最後にともに祈りをささげる時を持ちました。平和の主イエス・キリストによって、我々牧師が遣わされたと実感するひと時となりました。



特定秘密保護法に反対する牧師の会・志位和夫委員長との会談レポート2015.10.1

 特定秘密保護法に反対する牧師の会と共産党委員長の志位和夫氏との会談が許されました。出席者は共同代表の安海和宣牧師、呼びかけ人の城倉啓牧師、川上直哉牧師、杉浦紀明牧師、星出卓也です。会談の主な内容は以下の通りです。

志位氏:皆様の声明で、「同法の廃止を目指し、祈りつつ活動していく」と表明されていること、本当に励まされる思いです。今度の法律ばかりは、「通ったから仕方がない」という訳にはいかない法律です。これを廃止し、立憲主義を取り戻すには、安倍政権の下では無理ですから、安倍政権を交代させなければなりません。そのための選挙協力というものに私たちは踏み切りました。
 私たちは、自衛隊は憲法違反だという立場に立っています。この立場は変えるつもりはありません。それはそれとして、その主張はするけれども、それを新たに始まろうとしている政権に持ち込むと、まとまりません。やはりこの政権は「戦争法廃止と立憲主義」の一点で協力し構成する。ここから新たな展開が始まると思っています。
 当面の課題を調整するには難しい面もあるでしょう。ただしこれは国民が望んでいる方向であると確信を持っていますので、あらゆる努力をしたいと思っています。是非お力添えを頂ければと願っています。

Q私たちは野党が「安保法廃止、立憲主義を取り戻す」で協力すること、大賛成です。私たちなりにどのようなアプローチが可能でしょうか?

志位氏:この運動は、政党だけで作り上げるものではなく、政党、団体、個人、国民みんなで作っていく運動であると思っていますので、賛同する方々が増えていくことを願っています。私たちの主張は極めてシンプルです。憲法違反の戦争法は廃止しかない。立憲主義を取り戻す。しかしこのことは安倍政権ではできないから新政府をつくるしかない。しかし野党の間では基本政策の一致がないですから、暫定政府でもよいではないか、特命政権を創り、その仕事をしっかりやる。政府を創るには選挙協力が必要となる。つまり本気で戦争法を廃止しようと思ったら、政府をつくるしかない。政府をつくるには、選挙協力が不可欠。この間違った法律を廃止にし、戦争を止めるには口だけではだめなのです。本気で実現するには多少の意見の違いはあろうともこれしかないと思うのです。
 ですから野党がまとまって戦争法廃止に協力できるよう、激励していただけるとありがたいと思います。民主党の中に色々な声があることは良く知っているのですが、今はあれこれの声を問題にするよりも、むしろ前向きに戦争法案を廃止するために野党はまとまってほしいと、市民からの声を上げていただければと思います。
 民主党の岡田さんは長い付き合いがあり、個人的に信頼できる方であると存じています。それでも色々な意見の中でご苦労しておられることも存じています。その立場を十分に理解した上で、激励していただけると本当に良いと思います。(牧師の会の)声明にも書かれていますように「愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」の心をもって呼びかけてください。
 
 私は、キリスト教信仰は持っていないのですが、音楽が好きで、バッハのマタイ受難曲は暗記するように聴いています。受難曲を聴く内に受難の道を歩むキリストの姿が迫ってきます。心を打つこの宗教の力は大きなものです。キリストが処刑される時に奏でられるコラールを聴く度に、熱いものがこみ上げ、普遍的な力をもっていることを感じずにはいられません。イスラム教はイスラム教なりの、仏教は仏教なりの、普遍的な価値を持っていることを思います。そこには共産主義と通じる平和、平等、自由を求める普遍的価値と共通するものがあると思います。大きな力となると思います。かつてフランスで運動が起こるときには「神を信じる者も、信じない者も」というスローガンで運動がされたと言います。世界観の違い、政党の違い、立場の違いを越えて、協力できればと思います。
 私の娘が幼稚園生の時、キリスト教系の幼稚園で、教会の牧師が親しくしてくださいました。私が最初に選挙に出た1993年の時に、ずいぶん応援くださって、僅差でやっと当選する厳しい選挙でした。その時に牧師は私のためにお祈りしてくださいました。私はその意味で神の恵みによって議員をさせていただいています。宗教者の皆様との関わりは今でも深い助けです。マタイの受難曲は今でも私の支えです。

Qシールズの奥田さんはクリスチャンです。聖書に「敬虔に生きようと思う者は必ず迫害に遭います」とあります。共産党の歩みと通ずるところがあるように思っています。奥田さんにも殺害予告が来ていると聞いています。

志位氏:殺害予告に肯定する書き込みが多数書き込まれていると聞きます。そんなことは絶対にやってはならないことです。このようなことに対して、みんなで守っていかなければならないと思っています。

安海代表:牧師が集まるときは、いつも祈りで初めて祈りで終わります。ぜひ志位先生の働きのためにお祈りさせてください。

 ここで安海代表、日本の平和のため、志位先生の平和を求める働きの祝福のため、十字架の道に倣い平和を創る道を私たちが歩めるよう。志位先生の健康、ご家族の支えのために祈る。

志位氏:祈ってくださって、本当に感激です。これからもご一緒にがんばりましょう。
ありがとうございました。

以上

写真提供:キリスト新聞社