2015年6月30日火曜日

延長国会に向けての要請行動を行いました。

 特定秘密保護法に反対する牧師の会は6月25日、安倍晋三首相はじめとする国会議員への要請行動をおこないました。
 本来ならば24日で閉会していたはずの今国会。前代未聞の大幅会期延長でなんとしても戦争立法の成立を推し進めたいという動きに、早速声を届けました。
 今回は、牧師の会の活動趣旨に賛同するクリスチャン青年・学生らを含む15人が参加しました。
 
 

訪問先は、安倍晋三首相、岸田文雄外務大臣、岡田克也民主党代表、松野頼久維新の党代表、高村正彦自民党副総裁、浜田靖一安全保障特別委員会議長、石破茂地方創生担当大臣、中谷元防衛大臣。



  左:議事堂正門で為政者のために祈りました。             右:要請前の祈りのひととき

 
 同行した青年・学生達は、「戦争をしない国づくり」、「武力ではなく言葉による外交」、「子どもや若者のことを考えた政治」などを求める要請文を届けました。

  初めて国会を訪れた青年も参加。哲学を学ぶ男子学生は、「国会は、自分には縁のない世界と思っていたが、ここで日本が動いているのを実感した。いろいろな対応の部屋があったが、政治家は社会を良くしたいと志しているはず。敬意を払いつつ関心を持っていきたい」と話しました。
 中心になって要請文をまとめた青年は、「一番伝えたかったのは、『祈っています』ということ。意見の違う人も、握手を求めると表情が和らいだ。意見の異なる人とも対話できる関係を築いていきたい」と話していました。

      
  【要請書】

     憲法違反の「平和安全整備法」案、「国際平和支援法」案を廃案にして下さい。

 日頃から、国民生活向上のためにご尽力いただき感謝いたします。
今国会で「平和安全整備法」案、「国際平和支援法」案を成立させようと、特別委員会で審議が行われています。慎重審議の上に、廃案にしてくださるよう先生のご尽力をお願いいたします。
 本論に先立ち、政府与党は22日、国会会期の95日間延長を決めました。強行採決を視野に入れたものと思われますが、議会制民主主義の原則を数の横暴で崩す暴挙に私たちは憂慮を覚えます。立憲主義と議会制民主主義の府にふさわしい運営がされるよう、まずご尽力をお願いいたします。
  さて、国会での質疑が進めば進むほど、憲法から見て上記2法案には一分の理もないことが明らかです。また、平和を守り、対話と和解の外交を求める私たち国民の願いとは相いれません。ときの政府の判断で、日本が攻撃されていなくても、世界中どこでも米国の戦争支援を可能にするなど、とんでもありません。「特定秘密保護法」との関連でも、政府の判断材料が特定秘密にあたるとされた場合、国会や国民の監視チェック機能が完全に働かなくなります。さらに、いつでも、どこにでも自衛隊を海外派兵できる恒久法・「国際平和支援法」は、4月末に再改定した日米ガイドラインの内容を具現化するもので、まさに日米が協力して戦争する国づくりをすすめるものです。
  世論調査でも多くの人が法案への不安を訴えています。衆議院憲法審査会では与党推薦を含憲法学者3人が「憲法違反」と指摘しています。歴代内閣法制局長はもとより、戦後政治の中心を担ってきた保守政治家諸氏が反対を表明するなど、自民党内からも危惧の声があがっています。
  私たちは、「平和をつくる者は幸い」(新約聖書 マタイによる福音書5章9節)、「剣を取る者はみな剣で滅びます」(マタイによる福音書26章52節)の教えに従い、聖書が示す正義と公義、平和と和解が大切にされ、小さき者の声が押しつぶされることのない社会のために祈り、日本が戦争する国へ進む動きに対し、反対の声をあげます。聖書のみ言葉に従って生きる私たちは、どんな理由をつけようと、武力で平和を生み出すことができないことを知っています。戦争は、憎しみの連鎖しか生み出さず、犠牲になるのは一般庶民だというのが歴史の教訓であり、真理です。憲法9条によって国際社会で信頼を得て来た日本が、率先して平和外交を国際社会に働きかけることこそ、私たち日本国民の責任ではないでしょうか。武力を放棄するという勇気あるご英断を心から期待するものです。
 以上の趣旨から要請をいたします。

<要請項目>
1、憲法違反の「平和安全法制整備法」「国際平和支援法」案を廃案にしてください。

2、憲法違反の法案を拙速な審議で決定することは民主主義国家として許されません。
 ①国民の声に耳を傾け、全党揃って委員会を開き、十分な審議をおこなってください。
 ②数の力で強行採決をしないでください。




事前のミーテイングに衆議院憲法審査会委員の大平よしのぶ議員(日本共産党)がレクチャーに来てくれました。聖書と当会発行のブックレットを贈呈しました。