特定秘密保護法に反対する牧師の会は、「平和安全法制整備法」「国際平和支援法」案の廃案を求める国会議員要請で、参議院の当該委員会の委員への要請をスタートさせました。
8月6日の要請行動には、朝岡勝、安海和宣共同代表、賛同者の高木寛牧師(福音伝道教団大間々キリスト教会)、金井辰雄牧師(福音伝道教団伊勢崎キリスト教会)ら5人が参加しました。
特別委員会委員長の鴻池祥肇議員をはじめ、自民党公明党の理事、群馬県選出の山本一太議員の控室を訪ね、要請書と聖書を届けました。
事前に訪問する旨の手紙をファクスしてのぞみましたが、理事のうち、自民党の佐藤正久議員室は、受付で面会を拒否。電話に出た秘書が、「面会しても考えは変わらないし、話を聞いても仕方がない」と要請書の受け取り自体を断られました。
鴻池祥肇議員室では、秘書が「要請は議員に渡します」と受け取りました。
塚田一郎議員室では、「私からは何も申し上げられません」という秘書に、「良識の府らしく充分審議を尽くしてほしいとお伝えください」と話している最中に、議員が戻ってきましたが、取り次いでもらえませんでした。
馬場成志議員室では、「個人としての考えはわからないが、党の立場がありますから」との答え。石井準一議員室「答える立場にありません」と、頑なな応対でした。
群馬からこのために上京したことを参加者が伝えると、高崎出身の秘書が一転にこやかに応対する一幕もあり、顔と顔を合わせると違います。群馬県選出の山本議員は、地元に帰っているということで残念でしたが、共通の知人の名前も出て、地元からの声を届けることの大切さも再確認しました。
当会では引き続き、全員と面会するまで行動していくことにしています。
【要請書】
憲法違反の「平和安全整備法」案、「国際平和支援法」案を廃案にして下さい
日頃から、国民生活向上のためにご尽力いただき感謝いたします。
今国会で「平和安全整備法」案、「国際平和支援法」案を成立させようと、審議が行われています。慎重審議の上に、廃案にしてくださるよう先生のご尽力をお願いいたします。
最初に上記の法案は7 月 15 日、衆議院特別委員会で与党単独・採決、翌日の本会議で野党欠席のまま採決、参議院に送られました。議会制民主主義の原則を数の横暴で崩す暴挙を認めるわけにはいきません。立憲主義と良識の府にふさわしい運営がされるよう、ご尽力をお願いいたします。
さて、国会審議が進めば進むほど、上記11法案には一分の理もないこと、憲法違反であることが明らかです。憲法 9 条に反する集団的自衛権の行使に道を開くことは、戦後日本の国是を変える重大性をもつものです。また、安全保障環境の変化、集団的自衛権行使の内容、日米防衛協力の先行、自衛隊員の生命、莫大な費用負担のことなどすべて曖昧です。「特定秘密保護法」との関連でも、政府の判断材料が特定秘密にあたるとされた場合、国会や国民の監視チェック機能が完全に働かなくなります。さらに、いつでも、どこにでも自衛隊を海外派兵できる恒久法・「国際平和支援法」は、4月末に再改定した日米ガイドラインの内容を具現化するもので、まさに日米が協力して戦争する国づくりをすすめるものです。
世論調査で多くの人が法案への不安を訴えているのは、法案の内容を理解した上で危険性を重大に受け止めているからです。全国地方自治体の約2割にあたる330を超える地方議会が本法案への「反対・慎重に」意見書を可決し増え続けています。憲法学者をはじめ、大学人・研究者、映画監督・俳優、医療・介護・福祉関係者、宗教人、環境 NGO関係者、学生、高校生、母親など各界各層、世代を超えた多くの人が反対を表明しています。
私たちは、「平和をつくる者は幸い」(新約聖書 マタイによる福音書5章9節)、「剣を取る者はみな剣で滅びます」(マタイによる福音書26章52節)の教えに従い、聖書が示す正義と公義、平和と和解が大切にされ、小さき者の声が押しつぶされることのない社会のために祈り、日本が戦争する国へ進む動きに対し、反対の声をあげます。聖書のみ言葉に従って生きる私たちは、どんな理由をつけようと、武力で平和を生み出すことができないことを知っています。戦争は、憎しみの連鎖しか生み出さず、犠牲になるのは一般庶民だというのが歴史の教訓であり、真理です。憲法9条によって国際社会で信頼を得て来た日本が、率先して平和外交を国際社会に働きかけることこそ、全ての国際紛争の解決の道筋です。先生の勇気あるご英断を心から期待するものです。
以上の趣旨から要請をいたします。
<要請項目>
憲法違反の「平和安全法制整備法」「国際平和支援法」案を廃案にしてください。