2015年8月24日月曜日

参議院安保特別委員会委員全員へ要請。傍聴も行いました。(まとめです)

 特定秘密保護法に反対する牧師の会は8月20日までに、参院安全法制特別委員全員に要請。あわせて委員会傍聴も行いました。結果は45人中、本人面会5人、秘書対応33人、要請書投函3人、面会拒否3人。態度が明確でない政党への働きかけ、委員以外の議員への働きかけも重要になっています。議員との面談の様子と特筆点をお伝えします。(他は2面に掲載)  要請行動・傍聴は全部で6日間。地方からの賛同者も参加し、夜行バスで駆けつけた方、教団から交代で参加者を送ってくださったところなど、熱い取り組みとなりました。 お祈りに覚えて下さった皆様に心から感謝申し上げます。

参議院院安保特別委員会委員への要請結果

(8月6日~20日)

   名前(敬称略)所属 選挙区 役職(応対者)反応    ・順不同


<議員本人と面会できた方>

●福山哲郎議員(民主・京都・理事)
今までの委員会傍聴で、特別委員会理事として議員がどのような働きをされているか見てきたことも伝え、感謝とエールを送った。「これは(当会による議員要請行動)大変大切な働きです」と激励してくれ、「我々野党にもいいのですが、これからぜひ特別委員会メンバー以外の与党議員にも働きかけてください」と宿題をだされた。

●小西洋之議員(民主・千葉)
エレベータ前で遭遇し、要請書を直接手渡した。要請項目を指差し、「もうこれ(安保法制)廃案にしましょう」と。委員会審議で「法案の不備を厳しく追及していってください」とエールを送った。

●広田一議員(民主・高知)
「傍聴で実際に見る審議と大手メディアでの報道とに齟齬を感じる。ぜひ本法案の何が一番問題で審議の争点になっているか正しく発信して欲しい」と要請したのに対し、「大手メディアの報道はフェアではない部分がある。街頭に立って訴えています。応援よろしくお願いします」とのこと。

●仁比聡平議員(共産・比例/議運理事)
約20分懇談。弁護士としての専門性を生かした活動に敬意を表し、また「牧師の会として何ができるでしょうか」と質問したところ、「Sealsは学生っぽく動いているし、学者は学者らしく動いている。牧師も牧師らしく動いたらどうでしょう。祈っている姿をどんどん流すなど」と興味深いアドバイス。最後に聖書を手渡し、ともに祈る時をもつことができた。

●山本太郎議員(山本太郎と生活の党と仲間たち・東京)
前日の要請予告に対し、断りのメールをもらい、秘書と少しやり取り。結局、委員会直前に要請書を届けることができた。傍聴後、議員に直接挨拶し、「一緒に廃案に向けて頑張りましょう!」と握手。

<面会拒否・特筆すべき内容>◆佐藤正久議員(自民・比例・理事)
8/6に受付で面会拒否。電話に出た秘書が「面会しても考えは変わらないし、話聞いても仕方ない」と要請書も見ず断られた。鍵を握る議員なので特に話を聞いてほしいと面会要請を3回試みたか面会拒否。何とか要望書を受け取ってほしいと電話すると、「人様の時間を奪っている」と叱られた。憲法で保障されている請願権を主張するも、通じずシャットアウト。

以下敬称略:

<自民>

鴻池祥肇 兵庫 委員長(秘書) 「要請は議員に渡します」

石井準一 千葉 理事(秘書 )「答える立場にありません」と、頑なな応対

塚田一郎 新潟 理事(秘書) 「私からは何も申し上げられません」という秘書に、「良識の府らしく充分審議を尽くしてほしい」と話している最中に、議員が戻ってきたが、取り次いでもらえなかった。

馬場成志 熊本 理事(秘書) 「個人としての考えはわからないが、党の立場があります」

堀井 巌 奈良 理事(秘書) 群馬から上京したと参加者が伝えると、高崎出身の秘書が一転にこやかに応対。

山本一太 群馬 委員(秘書) 群馬の参加者に、共通の知人の名前も出て、地元から声を届ける大切さも再確認。

上月良祐 茨城 委員/議運委員(秘書) 要請書を託した。

豊田俊郎 千葉 委員/議運委員(秘書) 要請書を託した。

高橋克法 栃木 委員(秘書) 面会拒否

三木 亨 徳島 委員(秘書) 前日送ったFAXに目を通したと話し「お疲れさまです」と一言あり。

●秘書に要請書を託した議員。

大沼みずほ 山形 委員/議運委員  山下雄平 佐賀 委員 

森まさこ 福島 委員   山本順三 愛媛 委員 

三宅伸吾 香川 委員   愛知 治郎 宮城 委員 

猪口 邦子 千葉 委員  北村 経夫 比例 委員


石田昌宏 比例 委員資料のみ投函

<公明>

荒木清寛 比例 理事(秘書) 要請は議員に渡す。

矢倉克夫 埼玉 委員(秘書) 秘書に要請書を託した。

谷合正明 比例 委員(秘書) 面会拒否

平木大作 比例 委員(秘書) 「要請書を渡す」と約束

<態度不明の政党>    今後の働きかけが重要!


 小野次郎 維新 比例 理事(秘書) 秘書に要請書を託した。


 片山虎之助 維新 比例 委員(秘書) 秘書に要請書を託した。


 山口和之 元気 比例 委員(秘書)「党としてのスタンスをまだ決めておらず、審議は慎重にすべきということは一致している」「審議を見守るなかで、また国民の意見を幅広く聞いて決める」要請書記載の聖書箇所を読むと、「この聖書箇所知ってます。懐かしい」と秘書(ミッション系学校卒)

 和田政宗 次世代 宮城 委員(秘書) 丁寧で「しっかりと伝えます」と対応。


 荒井広幸 改革 比例 委員(秘書) 「党と荒井議員の考え方はきちんと知られていない。とにかくインターネットなどで荒井議員の質疑を見て欲しい、理解して欲しい」。

<廃案を求めている政党> 水野賢一 無ク 千葉 委員(秘書) 「慎重審議を求め、問題点も指摘している」


 北澤俊美 民主 長野 理事(秘書) 秘書が外出直前だったが、議員室前で訪問を待っていてくれた。「防衛大臣経験者ならではの切り口で廃案に向けて質疑して欲しい」と要請。
 

 大野元裕 民主 埼玉 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 大塚耕平 民主 愛知 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 那谷屋正義 民主 比例 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 小川敏夫 民主 東京 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 小川勝也 民主 北海道 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 井上哲士 共産 比例 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 福島みずほ 社民 比例 委員(秘書)要請項目に対して「同じ立場で頑張りましょう」
 

 白 眞勲  民主 比例 委員/議運委員(秘書)資料のみ投函
 

 蓮  舫 民主 東京 委員(秘書)資料のみ投函。


  「国会議員要請・委員会傍聴から」 参加者の感想 

●特別委員会を傍聴し、嘘やごまかしや不誠実があっても「厚顔」であれば「大丈夫」という政治の現場を見た。残念ながら、その「不道徳」的なことは、国内政治だけではなく、国際政治でもままみられることだそうだ。そして政治の言葉はプロパガンダだらけになる。そこに砂をかむような空気が満ちてくる。その現場にキリスト者が、福音の愚かさを握りしめて立ち尽くすこと。要請行動でその小さな輝きを見た気がする。これからも祈り支える一人として、できることをしていきたい
(川上直哉師・日本基督教団仙台北三番丁教会担任教師)

●(8/11)国会議員要請の後、神の臨在を祈りつつ、安保法制特別委員会を傍聴。小池晃議員(共産党)が自衛隊の統合幕僚監部作成の内部文書を示すと議場に衝撃が。大臣席後に待機していた防衛省の官僚らが慌てて廊下へ飛び出し、半パニック状態で協議する姿が傍聴席から見えた。開示された資料の重大さがすぐに見て取れた。結局審議が何度も中断し、最終的には散会。帰宅して主要メディアの報道を見て一番の論点・問題点がぼやかされ、正しく報道されていなかったことに驚いた。またウェブ上での当該文書の公開をめぐり「当該文書の公開は危険。逮捕されるおそれがある」という声があり、秘密法施行後の典型的ケーススタディとして注目。秘密法の脅しの害悪を痛感。声を届ける要請は重要。祈りつつ引き続き働きかける。
(安海和宣告共同代表・東京めぐみ教会牧師)