国会質問で暴露された防衛省の文書をめぐって
このことをめぐって、SNS上での出来事、メディア各社の報道内容を見ていて、事実がきちんと伝えられていないことも感じ、当会は、特定秘密保護法施行後の、典型的ケーススタディとして注目しました。
発端は、SNS上での当該文書の公開をめぐって、「くだんの文書を公開することが危険。入手経路が不明なので逮捕されるおそれがある」という声があったことです。
いろいろなウォールに貼られていた資料を引っ込める人が増えるとすると、秘密保護法の効果、脅しの効果抜群ではないでしょうか。
秘密法の撤廃をめざす当会は、小池事務所より入手した資料と合わせ、当会の見解をアップしたいと思います。
また、仮に内部告発をした人に被害が及んだ場合、「だから、秘密保護法は廃止すべき」と訴える運動と、被害者保護・良心的内部告発奨励の運動に取り組む決意をあらたにしています。
当会は、今回の件について、以下のように考え方を整理しました。
//文書の内容について・国会での審議経過ともかかわって//
8月11日の参院安保特別委員会では、中谷防衛大臣はあくまでも、「同じ表題の資料が存在している」というところまでを認めましたが、「文書の存在もしくは真偽について認めた」わけではありません。です。そこで答弁不能におちいり散会となったと理解しています。
//文書は内部告発でなければ出てこない文書//
自衛隊中枢の統幕にも、リスクを冒してでも法案を止めなければと思う人が存在しているということです。
//自主規制こそ秘密法の狙いのひとつ//
何が秘密かわからない、秘密かどうかわからないが、法に抵触する恐れがあるから公開を「自主規制」する。このこと自体が秘密法の害悪ではないでしょうか。
「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)では、誰もが公的機関の情報にアクセスする権利を有しており、権利を制限する正当性を、証明するのは政府の責務であること。政府が人権法に違反する情報は秘密にしてはならないことなどを定めています。このツワネ原則は当然、憲法にも違反するのが秘密保護法です。
//法律専門家と連絡を取り、考え方についてレクチャーを受けました//
『仮にこの内部告発が国公法違反にあたるとしても、守秘義務違反によって漏れ出た情報を拡散する行為は何の犯罪にもあたらない。完全事後的である以上、幇助罪にも問われない』
『公開することは、秘密保護法の漏えい罪や国公法違反の名宛人たりえない。秘密を取り扱ってないし守秘義務も負っていない。上述のように共犯にもならない』
●祈りのリクエスト●
今回の文書をリークした人の安全が守られるようにお祈りください。
極秘資料を最初に出した公務員・働きかけた方は、国家公務員法の範疇で罪に問われる可能性があります。防衛省は躍起になって犯人探しすることでしょう。
いのちと平和を守るために行動した人の名誉と人権が守られますように。