「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」って何?
2016/2/11 信教の自由を守る日に
特定秘密保護法に反対する牧師の会 よびかけ人 星出卓也
最近あちこちで「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」をよびかける姿を目にすることが多くなったと思います。「2000万人ってすごいね」「何でこの署名を集めているの?」「署名って本当に力になるの?」など。そもそも「総がかり行動」って何?と思っている方も多いでしょう。
憲法違反の戦争法(安全保障関連法)は昨年9月19日、大多数の世論を踏みにじり、国会内の多数の横暴で「成立」させられました。戦争法は、政府のこれまでの憲法解釈を180度転換した閣議決定(2014/7/1)にもとづくもので、平和主義、立憲主義、民主主義を破壊するものです。昨年来、安保法反対の声は、日本中に燎原の火のように広がりました。いまも、「戦争法は廃止せよ」の声は国内外にあり、法案成立後も廃止を願って今も多くの人が行動し続けています。
今国会に、野党5党共同で、廃止法案を来週にも提出する準備を進めているそうです。「野党は共闘」を、との多くの人の声と熱意が動かしたのではないでしょうか。
総がかり行動実行委員会や多くの人が2000万人署名を大切に取り組んでいる理由は、いくつかありますが、なんといっても次の参院選が非常に重要だということです。
2000万人は、びっくりの数字ですが、みんなで努力する価値はあると思います。日本国民有権者の約2割にあたる数です。前回の自民党の比例票1700万を上回る数です。けれども、ひとり一人が未来を考え、声を上げていかなければ社会は変わりません。そのきっかけを、署名を通してつくり、一緒に考えていこうという壮大な、でも夢のある取り組みです。
署名を取り組んでいる「総がかり実行委員会」は、安倍政権の猛烈な、戦争できる国づくり攻勢・「憲法破壊」という緊急の事態に際し、これまでいろいろな経過で別々に運動していた個人・団体が、運動の経過や考え方の違いはいったん脇に置いて、ともに運動を進めようと作った会です。「九条の会」事務局長で東大大学院教授の小森陽一さんは、総がかり実行委員会をつくる3つの団体が一致してともに歩んでいることを、「ここに至るまでの苦しみの歴史を知る人にとっては、驚きというか、感動というか、奇跡を見るような感激するべきこと」と感動を持って話しています。
「戦争法廃止に向けて野党は共闘を!」の声に対し、野党の共闘は思うように進んでいないように見えます。一方政権党は、間近にせまる参議院選で「憲法改定の発議が出来る3分の2を取る」と勢いづいています。衆参解散同時選挙も噂され、まさに憲法9条は崖っぷちの状況です。政界地図は目まぐるしく動き、それぞれの政党のお家事情もあり、野党共闘など夢のまた夢のように見えます。しかし、どうでしょう。2000万署名は、多くの良識ある人々が、共に手を取り合って、共通の危機に向かっているシンボルであり、さきがけです。秘密保護法制定に反対する運動→集団的自衛権行使反対の運動→昨年来の安保法制反対の爆発的な流れ、といった、今までになかった新しいことが始まっていることを感じます。ちなみに、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(通称「市民連合」)が12月に作られました。安保関連法の廃止と立憲主義の回復、そして個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指す市民のプラットフォームとなる団体ですが、この核となっているのも「2000万署名」です。
この署名を2000万人がすることは、安保法制廃止はもちろん、憲法9条を守ることにつながり、安保法制廃止の志を同じくする野党の共闘を促し、足元の定まらない野党への大きな圧力になります。
SEALDsの国会前コールに「民主主義ってナンだ!これだ!立憲主義ってナンだ!これだ!」というフレーズがありました。憲法9条が崖っぷちの「今」だからこそ、そこから生まれる市民の底力に希望を持ちたいと思うのです。私たちの信教の自由が脅かされる事態がすでに来ているとき、平和を作り出す使者として、この国に植えられたものとして、不可能を可能にする神様に従い、一歩踏み出していけたらと思います。その一歩が「2000万人署名」というカタチであれば、ぜひご一緒に踏み出していきましょう。
署名用紙はこちらからダウンロードできます。
http://sogakari.com/wp-content/uploads/2015/10/署名面_5名Bスミ.pdf