当会は本日7月17日、以下の要望書を参議院議長あてにおくりました。
参議院議長
山崎正昭殿
2015年7月17日
特定秘密保護法に反対する牧師の会
共同代表 朝岡勝 安海和宣
安全保障関連法案についての要望
衆議院安保法制特別委員会および衆議院本会議において7月16日に強行採決された、標記11本の安全保障関連法案(以下「本法案」という)について下記要望をいたします。
第一に衆議院から本法案が参議院に回付されたとしても受付を拒否してください。なぜなら本法案は文理上も解釈上も憲法違反の疑いが強いからです。参議院で回付された本法案を受け付けることは本法案を合憲と議長が判断承認することと同じです。そして本法案を審議する行為は、参議院議員全員が違憲立法に参与し、憲法99条に違反する結果となります。ぜひご検討下さい。
第二に、仮に参議院において審議されることを判断するとしても、衆議院におけるように特別委員会を設置することをお控えください。参議院には常任委員会として本法案の課題を専門的に審議する「外交防衛委員会」があります。屋上屋を重ねることのないようにお願いします。特別委員会を設置すると重複する委員も増え、少数会派に負担が大きくなり、他の委員会の審議にも差し障りが出ます。また衆議院の特別委員会における本法案審議が時間数ではなく、同じ週に複数回開催するなど日数に関してあまりにも拙速であったことの反省を生かしてください。
第三に、仮に特別委員会を設置することとしても、その人数を45人以上確保していただきたく要望いたします。世論調査においても慎重な審議を求める声があります。それは無所属議員も含め多様な会派の意見を採り入れることによって実現できます。なるべく大規模な特別委員会にすることは民意に沿った判断となります。
第四に、常任委員会にせよ特別委員会にせよ、本法案を一括して審議するのではなく、11の法案について一つずつ丁寧に審議し、一つずつ採決してください。衆議院特別委員会の審議について言えば、議論があまりにも散漫となり、その結果国民の理解が深まりませんでした。論点を掘り下げるためにも、ぜひ各法案を分けて慎重に審議してください。
第五に、仮に上記の丁寧な審議をしたとしても、本法案を参議院において廃案としてください。なぜならわたしたちは本法案を憲法違反であると考えるからです。
わたしたちは民主的手続きと話し合いに最大限の価値を置いています。どうか上記要望をご検討くださいますように。尊いお働きのためにお祈り申し上げます。